超現実主義的日常

よしなしごとを綴る

【ネタバレあり】ボヘミアン・ラプソディー

 今日から春休み中、 #一日一本 という企画を勝手にやっていこうと思う。これは映画か本を一本見てその感想を一日一回書くというものだ。他のジャンルも含めて #一日一文化 とするか迷ったが、とりあえずこれでいく。だいたい短めに要点をまとめて感想を書くというスタイルでやりたい。本や映画を選ぶ際の参考にでもしてくれ給う。

 

 

 

 

 さて、先日遅ればせながら久々に映画館に行く機会があったので絶賛上映中のボヘミアン・ラプソディーを見てきた。全く知らなくて草という方のために一行であらすじを書くと

 

伝説的バンドQueenのボーカル、フレディー・マーキュリーの伝記映画だよ。 

 

という感じ

 

 僕はQueenについては「We Will Rock You」と「Don't stop me now」くらいしか知らなかったのでその程度の知識だということを前提にしていただきたい。

 

で、その感想は

 

 

「伝記映画のくせにストーリー端折りすぎじゃね???」ととりあえず思った。

 

 ストーリーはフレディーがのちにメンバーとなる方々のバンドを見て俺を入れろって感じからスタートするんだが、そこから急に一年後、、、ってなって

 

車売ってアルバム作ろう!→レコード会社の目に止まる→めっちゃ売れる→結婚しちゃうみたいな感じでトントン拍子かつ端折られすぎててQueenの凄さっていうのがあんまり伝わりづらいなって思った。(よく知らない人から見れば)

 

分かりづらいし若干眠くなってきた、までが序盤の感想

 

 

 

で、中盤以降じわじわと面白くなってくる

 

 

 まず目を引いたのはQueenのライブツアー。やはり映画館の音とか映像っていうのは家で見たりスマホで聞くのとは格が違うなあって感じでした。そういう意味でこの映画は音楽映画としての側面も十二分に持ってます。というか序盤の退屈感をここで精算できてるからむしろ音楽に感謝してほしい。

 

 あと中盤以降フレディーとその周りの深堀が進められていって、やっとこの映画のテーマがわかってくる感じがする。個人的に思ったこの映画のテーマっていうのは、

 

 

Queenの真骨頂とは何か

・フレディーの孤独感、異物感

 

の二つじゃないかなあと思った。(もっとあるかも)

 

 

 まず一つ目のQueenの真骨頂っていうのは、Queenがここまで売れた理由っていうのと同義で、拙い表現で言うとそれはバンドと観客の一体感だと思うんですよね。この映画のライブシーンではそれが一貫して描かれてると思う。フレディーからみた観客、観客から見たフレディー。特に「We Will Rock You」における観客と共にリズムを刻むっていう発想はそれが如実に現れていると思う。あと終盤のライブエイドでのライブの映画の中の観客だけじゃなく映画館で見ている人間も巻き込むあの一体感は本当に凄いと感じた。ぜひ見てほしい。

 

 

 次にフレディーの孤独感、異物感っていうのは、まず一つ目に彼の出自。おそらくイギリスではマイノリティーであろうパキスタン人のゾロアスター教徒の家に生まれて、劇中でもパキーパキーって言われててそれが嫌だったんだろうね。自分のファーストネームもファミリーネームもフレディー・マーキュリーに改名しちゃいます。なんというか基本的に日本は単一民族国家で、国外にも出たことない人にとってはこういう問題の実感というか体感っていうのは難しいなっていつも思う。だからこそ能動的に学ぶことが重要だと思います。

 

 二つ目に劇中でフレディーは自分がバイセクシャルなことを自覚する。当時(今も?)特にアメリカではLGBTに対する風当たりは強く、差別の対象だった。で、一生連れ添うことを約束させた妻にも「あなたの人生は、これから大変だと思うわ」って言われちゃってなんなら結婚指輪も外され別居して彼氏まで作られるというよくわからん自体になる。孤独感にあてられたフレディーはゲイの道へと進むことになる、、、って感じで、ストーリーが進むんだけど、ここで思ったのが、

 

「おっさん同士のキスシーン多すぎるだろ」

 

 いや、別にそういうテーマの映画ではあるから基本的には構わないんですけど、そういう描写が多すぎないか?とちょっと思った。なんなら序盤クッソ端折って婚約者と知らん間に別居することなってて???ってなったからそこにもう少し時間を割くかゲイ描写も前者のように暗示的な形で進めても良かったのではって思ったが、多分監督は最近少年への性的暴行で起訴されてるみたいだし、若干趣味が入ったんじゃないのかなあ(偏見)(悪いとはいっていない)。

 

 

 

で、この二つのテーマって実は相反することなんですよね。

 

観客との一体感とフレディーの抱く孤独感。

 

一つ目のテーマが二つ目のテーマを補完するっていうか、支えになってる。

 

ここにフレディーがライブでの一体感を好んだ理由があるんじゃないかなあ。

マイノリティーとしての苦悩はライブの中では皆が一つになることで忘れられるんですよね。そういうところが音楽って最高だぜって思う。

 

 

 

 

とりあえずささっとまとめてみました。また書きたいこと思いついたら加筆するし、テーマに注意して見ると、この映画もっともっと面白くなると思います。

 

最後まで見ていただきありがとうございました〜